インターネット通販が非常に盛んになり、労働環境の見直しによって健全化もされた運送業界は、まさにいま猫の手も借りたいほど盛況な状況です。そんな中大注目を集めるのが個人事業の軽貨物運送業です。未経験から独立開業する人の研修制度も用意されている企業も続々登場していますが、どんな内容なのかも含めて解説します。
もくじ
未経験から0円開業を応援する企業もある
軽貨物運送で独立を目指す場合、独立開業を支援してくれるサポート企業を探すのは有効な方法です。開業のためには書類の作成や手続きをおこなう必要がありますが、陸運局や軽自動車検査協会など縁がなかった人にとっては不安ばかりが先に立つでしょう。そのためサポートを受けられる会社と契約し、届け出からフォローしてもらう人も少なくありません。
例えば営業ナンバー取得からサポートを受けられれば、初心者でも安心です。サポート会社の利用にあたっては加盟金や保証金を必要とするところもありますが、それらが一切無しで、開業前研修も用意されている企業もあります。研修では軽貨物事業のメリットや実際の収益モデルなどもレクチャーしてくれることが多いので、独立後にどのように個人経営して行けばいいか具体的な事業内容や収入を知ることができるでしょう。インターネットサイトを参考にすることもできますが、やはり実際に話を聞くほうが理解が早いのは事実です。
また、第一歩としてその企業から業務委託を受けつつ配送の基本を学び、同業者とのネットワークを築いた上で身につけた経験やノウハウを活かして独立するという方法もあります。こちらはすでに運送を経験している人でも、以前独立がうまく行かなかった人でも、まったくの未経験でもサポートが受けられるのは魅力です。
開業前のサポートの詳細な内容は各社で異なりますが、開業前研修として1週間程度のレクチャーを受けられるところが多いです。例えば先輩ドライバーの運転する車両に同乗し、実際に現場を回りながら軽貨物運送の業界基礎知識やノウハウを学ぶ実践的な研修スタイルなら身につきやすいでしょう。軽貨物ドライバーのネットワークも築けますし、実際にお客様とどのようなコミュニケーションをおこなうか学べる機会が得られます。
独立開業までの流れを紹介
企業のサポートを受けて軽貨物ドライバーとして独立開業するまでの流れをまとめておきましょう。まずはサポート会社を選ぶためにインターネットサイトなどで事業内容を確認し、資料請求をおこなうのがおすすめです。信頼できそうなサポート企業に興味を持ったら、まずは資料を送ってもらいましょう。
その中からここぞという企業を選んだら、次は個別に相談や面談をおこなうのが一般的です。面談はサポート企業のオフィスを訪問しておこないますが、事業や契約の内容を詳しく聞き、不明点はすべてクリアにすることが大切です。独立した後の経営状況や収支モデルなどのレクチャーを受けられる企業もありますし、契約後の報酬のパーセンテージや支払い条件などもすべて確認しておきましょう。
いままでの実績や他のドライバーの運用例などを参考に、自身で納得できれば申し込みとなります。申し込んだ後はサポート企業側の選考があり、無事通過すれば契約となるのが一般的です。軽の商用車両を準備し、用意できしだい業務委託契約の締結となります。また加盟金や保証金が必要となる場合はあらかじめ資金の確保が必要ですので、その点も注意しましょう。
契約を無事締結すれば、いよいよ現場研修です。期間は企業ごとに違いますので一概に言えませんが、おおむね1週間程度です。先輩ドライバーと共に現場研修をおこない、実際の業務内容や業界知識についてしっかり学べたら本格稼働となります。信頼できる企業であれば、最初からキャパシティオーバーの仕事量が来ることはまずありません。徐々に業務に慣れるにつれて案件数が増えて行くのが普通ですので、初心者でもひとつひとつの仕事をしっかりこなしていきましょう。
個人事業主としての働き方もしっかり勉強しよう
軽貨物運送業で個人事業主として独立開業する場合、一番大切になるのがお客様からの評判です。もちろんドライバー同士のコミュニケーションやネットワークの構築もとても重要ですが、やはりお客様からの信頼を得ることが何より一番重要だと言えるでしょう。
信頼を築くためには長い時間が必要ですが、失うのはほんの一瞬です。そして一度でも失ってしまったらその先の仕事が回って来なくなる可能性が高くなり、信頼度を回復するために労力を割かれることになってしまいます。
クレームを0にするのは難しいことですが、トラブルに発展してしまうのはもってのほかですし、問題が起こりそうなときに先回りしていかに抑えるかのノウハウは重要です。個人事業主であれば、経営を成功させるために欠かせないポイントでしょう。
どんなに気をつけていても配送トラブルは起こり得ますので、経験の浅いうちはトラブルを未然に回避するために気をつけるべき点を勉強し、情報を整理して対策を講じることが大切です。そのためにも実践的な研修はとても大事なチャンスですし、先輩ドライバーやサポート企業にはいつでも相談できるフォロー体制を求めるのがおすすめです。
貨物ドライバーが起こしがちなトラブルとしてよく挙げられるものは、お客様対応のほかにも破損や汚損、誤配や遅配があります。お客様対応で気をつけるべき基本はまさに報告・連絡・相談で、配送事故の報告やお客様からの電話への対応はもっとも注力すべきことです。
また荷物を無事に届けることが使命ですから、不注意による破損や雑な扱いによる破損には十分に気を付けましょう。ほとんどのケースでは不注意や扱いの悪さが原因で破損や汚損が起こっていますので、研修中は疲れていても細心の注意を払う意識を学びましょう。誤配や遅配も起こりやすいトラブルですので、配達先の間違いなどが起こらないようにすることや、必着商品の優先など注意すべき点を身につけましょう。
トラブルには必ず元となる要因がありますので、あらかじめ要因をつぶす行動を身につけることが大切です。サポート企業は事業として抑えるべきポイントを熟知していますし、確かに誰でも簡単に独立できるのも事実です。とは言っても、当然ながら何もしなくても自動的に開業して成功できるわけではありません。
どんな仕事であっても個人事業主は経営者であり、会社のオーナーですから、必要な手続きは個人でおこなうのが基本です。自身でやった分だけ売上を増やすことはできますが、当然やらなければ収入を得ることはできません。ただきちんと仕事に向き合うだけの覚悟を持ち、適切なサポートを受けられれば軌道に乗せることができるのもまた事実です。働いても納得の行く収入が手元に入って来なかったという不満を感じている人にとっては、軽貨物運送で個人事業主として独立するのはチャンスと言えます。
軽貨物の運送業者として独立開業する場合は、開業までしっかりサポートしてくれるパートナー企業を選ぶのがおすすめです。個人事業主になる以上、単に車両を運転して荷物を運ぶだけが仕事ではなくなります。お客様への対応や注意すべき点、業務の優先度なども考慮できるノウハウが必要です。
誰でも一足飛びに経験は積めませんので、先輩ドライバーやサポート企業に相談できる体制があるのはとても大きな安心です。中には開業後の収支計画のレクチャーや現場研修を実施している企業もありますので、ベテランも初心者もぜひ一度相談してみましょう。