軽貨物配送での独立開業は飲食店業をはじめとするポピュラーな独立ビジネスと比較しても開業資金を安く済ませることができ、なおかつ特別な資格を必要としないため、これまでサラリーマンとして働き続けてきた方の独立プランとしておすすめです。
そして、開業資金自体はできるかぎり安くしたいと考えるでしょう。そんなときに役立つのが、車両のリース契約です。
もくじ
リース契約ってそもそも何?
軽貨物事業での独立を検討されている方の中には、これまでリース契約というものに関してあまり関わることがなかったという方もおられるでしょう。この項目ではそんな方のために、リース契約に関する基礎的な解説を行っていきます。
事業に必要なものを貸してもらう
リース契約について簡単に説明するならば「仕事に必要な道具を貸してもらう」ということです。たとえばある企業のオフィスでコピー機が必要になった場合、企業は事務機器のリース事業を営んでいる会社とリース契約を交わし、一定期間の間コピー機をレンタルして自分の会社で使わせてもらえるようにします。これが、リースの基本的な形式です。
特徴として、リースされている機器はレンタルしている企業ではなく、リース元の企業がメンテナンスを行うという仕組みになっているということが挙げられます。これは、後述するリース契約のメリットにつながる重要な要素です。
業務委託先とのリース契約で車両を借りる
軽貨物業者がリースを利用する場合、事務機器などもあり得ますが、事業においてもっとも重要な設備である営業車両が対象となることが多いです。
リース契約を検討している軽貨物業者の多くは、業務委託契約を交わしている企業より車両を借りるという方法をとっています。そのような会社では業務委託契約者に貸し出すための運送用車両が用意されており、月額料金を受けとることによってそれらの貸し出しを行うということになっているのです。
業務委託委託契約を結んだ軽貨物事業者は、自分で用意した車両を事業として使う持ち込みか、あるいはリース契約かを選ぶという形式が一般的です。
軽貨物事業でリースを利用するメリットとは
軽貨物事業をはじめるにあたって業務委託先の企業からリース契約で車両を借りるというのは、いろいろとメリットのあるものとなっています。
この項目では、車両の持ち込みと比較した場合のリース契約のメリットについて解説を行っていきます。
一度の大きな出費を抑えられる
リース契約を行うことによる大きなメリットのひとつは、大規模な出費を抑えられるということです。たとえば事業者自身で持ち込み用の車両を購入し用意するとなった場合、車両の種類にもよりますがおよそ100~300万程度の費用を支払わなければなりません。はじめて事業を立ち上げられる方にとって、これは無視できない出費です。
しかし、リース契約であれば毎月1万~4万の出費のみに抑えることができるのです。もちろん長期のリース契約を行えば車両一台の合計出費になってきますが、一度の大量出費を抑制できるため、資金に余裕のない事業者にとっては非常に経済的です。
軽貨物に適した車両をほぼ確実に利用することができる
持ち込みで車両を導入するとなった場合、どのような車を使うかは自分で選択しなければなりません。そこで問題となるのが、「うっかり軽貨物配送に適してない車を選んでしまった」といったような事態の発生です。軽貨物に関する経験や知識が不足しているとどのような車両を使えばよいか分からず相性の悪いものを購入してしまい、後々後悔してしまうということもあり得ます。
ですが、リース契約での車両導入において、そのようなことはほとんどないと言ってよいでしょう。なぜなら、リース用の車両は一定のノウハウ知識を持った企業が用意してくれますから、軽貨物事業との相性もしっかり考えられたうえで選ばれた車を貸してもらえるのです。よって、リース契約の場合、車両の選択ミスによるリスクを大幅に減少させることができます。
給油やメンテナンスのサポートが受けられる
車というのは維持が大変であるとよく言われます。事実、定期的なメンテナンスにかかる時間や費用は決して無視できるものではなく、両方において余裕のない新米の事業者にとっては頭の痛い問題にもなりがちです。
しかし、リース契約であれば、そうした問題にも対策を行うことができます。リース契約の内容によってはリース元の企業が車両をメンテナンスしてくれるので、時間と出費の両面でコストを削減することができます。
また、ガソリンの給油に関しても、リース元の企業によっては割引などのサポートを受けられるようになっているのでお得です。
軽貨物事業におけるリース契約の注意点
このようにさまざまなメリットのあるリース契約車両ではありますが、その一方でいくつか注意するポイントもあります。
あくまでも「借り物」なので過度のカスタマイズはご法度
リース契約においてもっとも気をつけておくべきなのは、リース契約で利用するものは自身の所有物ではないということです。あくまでもレンタルしてもらった借り物であり、事業者のものとはみなされません。
よって、たとえば外観をデコレーションしたり、内部を改造したり備え付けの部品を無許可で交換するなどあたかも所有物のようなことをすれば契約違反とみなされ、契約解除に加え罰金が発生するおそれがあります。ですので、事前に契約内容を把握し、どのような利用の仕方をすべきか把握しておく必要があるでしょう。
リース契約だからこそ使いづらいということも
いろいろ便利なリース契約ではありますが、人によっては不便さを感じるということもあるようです。その理由としては、自分のものでないというところが大きく、他人の所有物で仕事をするということにぎこちなさを感じるからでしょう。
実際、車両をぶつけるなどしてキズやへこみが発生すれば、そのとき使用していた所有者に修理費用の請求が行われます。こうした仕組みが肌に合わないという事業者も中にはおられるでしょう。自分の車で事業を行うという気持ちを得たい方にとっては、持ち込みで車両を用意した方がよいと言えるかもしれません。
中途解約には違約金が発生する場合も
基本的にリース契約を行う場合、車両をレンタルする期間が前もって定められます。
もし、この期間が来る前に契約を中途解約した場合、「違約金」を請求されることがあるのです。違約金の額は契約先によって異なりますが、場合によっては小さくない負担になることもあります。そのため、リース契約において契約期間の事前確認は非常に重要と言えるのです。
リースのメリットを最大限に活かし効率的な軽貨物事業を
リース契約にはいくつか注意すべきポイントもありますが、人によってはあまり関係がなく、メリットを最大限に活用することができるでしょう。
リース契約による車両導入は軽貨物事業を効率的に運営するためのよい方法の一つですので、積極的なご検討をおすすめします。