それほど規模の大きくない荷物の配送を行う「軽貨物業者」は開業資金がそれほどかからず、独立志望のサラリーマンからも注目を集めています。
しかし、ただ開業さえすればよいというものではありません。軽貨物にせよなんにせよ、一旦事業を立ち上げたからには利益を獲得していく必要があり、営業をどのように行っていくかが重要となります。
もくじ
軽貨物業者が営業を行うメリット
一見営業活動とはそれほど縁がないように思える軽貨物事業ですが、決してそのようなことはありません。確かに中には営業をおろそかにしている業者も存在していますが、だからこそ自分たちが積極的に営業を行えば、ライバルに差をつけられるのです。
この項目では軽貨物業者が営業に力を入れるメリットについて解説していきます。
新しい仕事につながる
なんといっても営業のメリットといえば、新規顧客を獲得できるということでしょう。逆に言えば、まったく何もない一からのスタートで計貨物事業をはじめた場合、営業に力をいれなければ顧客を獲得できない可能性もあります。
営業に赴いたすべての企業が顧客となってくれるとは限りませんが、それでも将来的な利益につながるポジティブな働きかけであり、積極的に力を入れることが望ましいと言えるのです。
得意先から新たな仕事先を紹介されることも
営業によって獲得できる顧客は、直接営業に赴いた企業だけではありません。得意先となった顧客があなたの働きぶりを気に入れば、知り合いが経営している企業などにあなたのことを紹介してくれる可能性もあるのです。
そうすれば、あなたの動いていない範囲においても顧客や得意先をキャッチできる可能性が向上していき、将来的な利益アップが期待できるのです。
業界の現状を知ることができる
また、営業を行うためにさまざまな企業の営業所や工場を訪れるということは、そこで取り扱われている商品や、そこで働いている人々について勉強する機会が生まれるということでもあります。
独立開業後は誰に求められるでもなく、自分の意志だけで自己研鑽を行っていかなければなりません。営業という働きかけは業界の現状を把握し、自身の知識向上を促すよい機会となるでしょう。
的確な事業計画を立てるためのデータを獲得できる
また、営業によってさまざまな企業を訪問し、業界や商品に関する情報を知ることができれば、今後自身の軽貨物事業をどう運営していくのかということの指針決めに役立ちます。何もない状態で無策な決定を行うのと、情報がそろった状態で計画を進めていくのとでは大きな違いが生まれるでしょう。
よって、慎重かつ確実な事業運営を行うならば、営業の機会も多めにもうけておきたいところです。
軽貨物における営業のコツ
営業が軽貨物事業を進めるにあたって重要なものであるということはご理解いただけたかと思われますが、とは言え正しい営業を行うことができなければ、むしろ時間と費用を浪費するだけに終わってしまうでしょう。
この項目ではより的確な営業を行うためのちょっとしたコツについて解説していきます。
まずは近場の工場や営業所へ挨拶を
軽貨物をはじめたはいいけれど、まずどこから営業へ行けばわからないという方も少なくないでしょう。そんなときは、まず自身の営業所の周辺にある企業の営業所や工場へ赴いてみるとよいでしょう。
もちろん、必ずしも顧客になってもらえるとは限りませんし、場合によっては門前払いをされるかもしれません。しかし、企業によっては「少しでもよい条件でものを運んでくれる業者に会いたい」と考えており、あなたがアプローチをかけることによってそうした企業とも出会える可能性があるのです。
ですので、規模の大小問わず、まずはさまざまな企業へ「こういった事業をはじめましたので」と挨拶へ伺うようにしましょう。
ある程度は融通を利かせる
また、はじめての顧客であっても常連であっても、受注する案件に関する要望にはある程度融通を利かせることをおすすめします。たとえば、「もう少し安くできないか」というリクエストに応じ、こちらが赤字にならない範囲で少しだけ価格を下げるなどするのです。
軽貨物業者のメリットは、なんといっても大規模な運送業者と比べて小回りが利き、臨機応変に立ち回れることです。企業も柔軟で臨機応変な対応に期待していますから、それを実現してあげれば好印象を与えることができます。こういったこともまた、立派な営業と言えるのです。
客だけでなく同業他社とも交流を
営業というと、どうしてもこちらに依頼を行ってくれそうな見込みのある企業などを相手にしがちですが、できるなれば同業の運送業者に対しても挨拶や交流を欠かさず行った方がよいかと思われます。
そうして同業他社と仲良くなっておくことで、請けきれない案件を回してもらったり、事業運営にとって重要な情報を回してもらえるといったことが期待でき、事業をよりよい形で動かしていくことができるようになるでしょう。
ネットを利用した営業も現在はあり
営業というと自分が相手と直接対面したうえで行うといったものを思い浮かべますが、インターネット技術が発達した現在では、それらを駆使した営業も頻繁に行われています。
たとえば、ホームページやLPページの作成公開です。ネット上に自身の企業について説明が掲載されている媒体を発信することで、こちらが直接行動を起こさずとも不特定多数にアプローチを行うことができます。インターネットを駆使した営業は若干の知識が必要ではありますが、使いこなせると非常に心強い武器となります。
軽貨物業者が営業を学ぶ方法
会社で雇用されていたころに営業社員として働いていた方はそうでもないかもしれませんが、今までに営業経験がないという方にとっては、自身の事業のアプローチを行うというのはなかなか大変だという印象が強いでしょう。
この項目では、これから軽貨物事業の営業をはじめようという方がそのノウハウを学ぶための方法について解説しています。
書籍やインターネット
書店で販売されている営業マニュアルや、インターネット上にて公開されている事業者向けサイトにアクセスし、そこに書かれている内容を元に勉強を行うというものです。
お手軽でコストがかからないのがメリットではありますが、いかんせん内容に不安があります。どちらかと言えば、後述する方法の方がおすすめです。
サポート業者の研修を受ける
軽貨物での独立開業を支援している業者と契約を結ぶことにより、営業方法を含めた軽貨物の運営ノウハウに関する研修を受けることができます。
流通企業が行うだけあって内容は非常に実践的であり、講師に質問ができるといった点も非常に有用な方法となっています。業者によっては研修修了後もフォローが受けられるという点も魅力的です。
営業を積極的に行いさらなる利益を
軽貨物事業で着実に利益を増やしていくためには、営業の重要性を無視することはできません。
周辺のさまざまな企業や人物へ積極的にアプローチを行い、ご自身の事業の可能性をどんどん広げていきましょう。