近年、一生をひとつの会社で過ごすというワークスタイルから、独立開業を目標としたやり方へと形が変わってきています。独立して自分が事業主となることで、自由な時間と高収入を両立できる可能性があるからです。
オフィスワーカーが独立後に展開する事業としてはさまざまなものがありますが、その中でも軽貨物の運送事業が「未経験者でも働きやすい」ということで注目を集めているようです。果たして、それは本当なのでしょうか。この記事にて、その実態を解説させていただきます。
なぜ軽貨物業は未経験でも働きやすいのか
いったいなぜ、さまざまな仕事がある中で軽貨物事業は未経験でも安心して勤められると言われているのでしょうか。それには確かな理由があります。
この項目にて、未経験であっても軽貨物が行いやすい理由について解説を行っていきましょう。
・・車の運転さえできれば仕事がこなせる
軽貨物事業が未経験者にもこなしやすいもっとも大きな理由は、なんといっても仕事の主な内容が「車を運転すること」だからでしょう。たとえば飲食店であれば料理をおいしく作るためのスキルが必要ですし、学習塾であれば子どもたちにちゃんと勉強を教えられるスキルが必要となります。しかし、軽貨物での独立開業の場合は、ただ単に車の運転さえできれば仕事がこなせるのです。
さらに、運転するのは乗用車とそれほど変わらない軽貨物車両ですから、運転自体もそれほど難しくなく、通勤やお出かけ感覚で仕事をこなすこともできます。
・・特別な資格や免許を必要としない
独立開業となると、これまで勤め人として生計を立てていた方にとっては敷居の高さを感じるかもしれません。事実、業種によっては特別な資格や厳格な審査をパスしなければならないこともあります。
しかし、軽貨物の場合は、開業のための特別な資格や免許は必要ありません。強いて言うなれば、軽貨物車両運転のために自動車免許が必要なことぐらいでしょう。だから、開業手続きがとてもスムーズに行えるのです。
・・開業資金を安く抑えることができる
また、開業資金という金銭的な面においても、軽貨物というのは事業者一年生におすすめしやすくなっています。たとえば、飲食店を立ち上げるならば店舗レイアウトや調理器具、POPのデザインに食材など、かなりのお金がかかってしまいます。
しかし、軽貨物の場合、開業にあたって必要なものは営業用の車両と営業所、それに車庫だけです。これらに関しても、うまくいけば自家用車や自宅、ガレージを転用することもできるので、人によってはそれほど開業資金をかけることなく事業を立ち上げられるのです。
・・需要が高く、将来的な展望も明るい
また、軽貨物が未経験者にとってもおすすめしやすいその他の理由としては、開業のしやすさや仕事のしやすさだけではなく、業界の将来的な見通しが上げられます。業界が今後どのように動いていくかというのはとても大事なことで、たとえばいくら開業が簡単であったとしても業界全体の見通しが暗ければ、そういった事業は到底おすすめできるものではありません。
しかし、軽貨物が属する物流業界というのは、とても見通しが明るいです。この世から物流がなくなってしまうというのは到底考えられることではなく、それどころかネットショップの隆盛や個人ニーズの多様化も相まって、その需要はより増加していくでしょう。とくに、「お急ぎ便」など個人のリクエストに合わせた配送スタイルもどんどん増えてきていますので、フットワークの軽い軽貨物業者は今後さらに求められる存在となっていくはずです。
未経験者が軽貨物でも成功する方法
前述したような理由から、軽貨物事業は未経験にも開業しやすく、なおかつ利益を上げられやすい事業だと言えます。しかし、だからと言ってやる気を入れず仕事をして利益を得られるほど甘くはありません。仕事というのはどのようなものであっても「がんばりどころ」が存在しています。
この項目では、未経験からのスタートでも軽貨物事業で成功するためのコツについて解説していきましょう。
・・無理をしすぎない
事業において成功するならば、とにかくがむしゃらに働かなければならない考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、それはむしろ逆効果です。確かに集中して働けばその期間だけ収入は増えますが、体力的および精神的に無理をしたしわ寄せはどこかで自分に返ってきます。それに、働くことで自分のプライベートに悪い影響を及ぼすこととなれば、「自由に働ける」という独立開業のメリットを潰すことにもなるでしょう。
ですので、短期的に稼ごうと思うのではなく、長期的にコツコツ無理なく働き、成功を目指していくというのがベターなやり方だと言えるでしょう。
・・スケジュールとルールは厳守
約束を破ったり、予定の時刻に遅れてしまうほど、社会人にとって失礼な行動はありません。ましてや、信頼が今後の事業運営に大きく関わる個人事業であれば、そうした形で信用を失ってしまうのは大きな痛手となります。それに加え、スピード違反や信号無視といった世の中のマナーや法律を踏みにじるような行いをする業者に対しては、まともな企業からの信用は皆無となり得ます。
だからこそ、ルールやマナーをしっかり守ったうえで、軽貨物事業を運営していかなければなりません。そうした誠実な姿勢が成功への近道となってくれるでしょう。
・・定期便、ルート配送を狙っていく
一口に軽貨物といっても、請けることのできる案件の内容はさまざまです。割のよい案件もあれば、そうでない案件もありますので、考えたうえで受注しなければなりません。
そういった中で狙っていきたいのは、いわゆる「定期便」や「ルート配送」といった案件です。これらの案件は決まった時期に決まった仕事が得られるので、安定した収益をあげることができます。バランスのよい経営を目指すのであれば、積極的に狙っていきたいところです。
・・余裕があれば営業にもチャレンジ
軽貨物事業を運営していくうえで、時間に余裕があれば自分から営業を行ってみるのもよいでしょう。営業とはいっても、最初は近くにある工場やメーカーなどへのあいさつ回り的なものからはじめる感じで大丈夫です。
これは軽貨物以外の事業にも言えることではありますが、より確実に事業をあげたいならば、待つよりも積極的な行動が求められます。できる限り、自分で動いていく機会を増やしていくことがおすすめです。せっかく事業を立ち上げるのならば、自分の判断でどんどん動いていきましょう。
未経験ならばサポート業者との連携も有効
軽貨物事業は未経験の方にも立ち上げやすい事業のひとつではありますが、それを成功させるためにはやはりいささかの努力が必要で、そうした点に不安を感じられる方も少なくないでしょう。
そうした不安を大幅に和らげるための方法として、軽貨物での独立開業をサポートしている業者と提携をするといったものがあります。そうした業者と業務委託契約を結べることができれば、その業者が有している顧客ネットワークを共有してもらえ、早期からまとまった量の案件を請けることができます。また、軽貨物事業を成功させるためのノウハウを、研修やセミナーを通じて伝授してもらうといったことも期待できるのです。
未経験の方にとってこうしたサポートの有無は、その成否に大きく関わってくるでしょう。前向きなご検討をおすすめいたします。