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公開日:2019/07/01  最終更新日:2019/06/19

軽貨物運送業を開業したら登録を進めよう!

軽貨物運送での独立開業はいわゆる店舗ビジネスと比較した場合、用意すべきものがかなり少なくすむ場合もありますので、はじめての独立事業としてはおすすめできるもののひとつです。

ですが、軽貨物事業において独立開業するのであれば、「登録」が必要なことを事前に知っておきましょう。これを行わなければ、軽貨物事業をはじめることすらできなくなってしまいます。今回は、軽貨物事業における登録のあれこれについて解説していきましょう。

 

軽貨物独立開業における「登録」とは?

軽貨物で独立を考えておられるのであれば、「登録」を行うことを避けては通れません。よって、登録とはいったい何なのか知っておく必要があるのです。ですので、この項目で具体的に説明を行っていきましょう。

軽貨物運送に使う車の登録手続きを行う

軽貨物事業の独立開業における「登録」は二通りあります。そのうちのひとつが事業用車両の登録です。軽貨物事業をはじめる際、どのような車で運送をしてもよいというわけではありません。そのようなことを行政が許していれば安全性に問題のある車がはびこり事故の温床となりますし、車種によってスピードに大きな差が生じ、国内における運送業のクオリティが均一的なものに保てないからです。

よって、「こういう車を事業のために使用します」というものを事業者に登録させることにより、どの車が軽貨物運送に使われているのかが把握できるようにしています。これを無視して登録が行われていない自動車で仕事を行った場合、「道路運送法違反」で刑罰に処せられるおそれがあります。

事業開始前に行政に届け出を行う

また、軽貨物運送事業をはじめるにあたって国土交通省の窓口へ貨物軽自動車運送事業の届け出を行うことを登録という場合もあります。

なぜ届け出をさせるのかというと、行政が国内の運送事業者を適切に管理できるようにするためです。届け出なしで誰でも事業が行えるという状況であれば、法外な報酬を請求したり違法行為に手を出すような人間が出現する可能性が高いです。そのような状況が蔓延すれば、国内の流通は大きな打撃を受けてしまうでしょう。そうなってしまわないため、国土交通省は届け出制度を利用し、国内の軽貨物運送事業者をチェックするようにしているのです。

 

軽貨物運送業における事業用車両登録の方法

ここからは、軽貨物運送事業における事業用車両の登録について解説を行っていきます。登録のための手続きを行うと聞けば少々面倒くさく思えるかもしれませんが、手続き自体はそれほど難しいものでもなく、注意すべきポイントにさえ気を付ければスムーズに進めることができます。

国土交通省の「運輸支局」で行います

事業用車両登録の手続きは、2019年現在インターネットで行うことができません。よって、登録手続きができる場所へ直接赴く必要があります。手続きが行えるのは、各都道府県にある「運輸支局」という場所です。

運輸支局というのは国土交通省ならびに地方運輸局の下部組織であり、兵庫県および沖縄県以外の各都市に設けられています。軽貨物運送事業をはじめる際にはこの運輸支局の窓口へと赴いたうえで手続きを行うこととなります。

各種届出書を提出

運輸支局の窓口にはさまざまな届出書を提出して手続きを行います。軽貨物運送事業をはじめる旨ならび営業所の情報を記載する「貨物軽自動車運送事業経営届出書」、どのような料金体系で事業をはじめるかの旨を記載する「運賃料金設定(変更)届出書」、事業に使う自動車の詳細を記載する「事業者用自動車等連絡書」、そして車検証のコピーが必要となります。

届け出それ自体に費用は必要なく、提出した書類に問題なければその日のうちに次のステップへ進むための連絡票を受け取ることができます。

軽自動車検査協会で「黒ナンバー」を取得

先述した運輸支局窓口での届け出が終わった後は、同じ敷地内に設けられている「軽自動車検査協会」へと赴き、連絡票を提出することで新たなナンバープレートの取得を行うこととなります。(黒ナンバーの取得においては手数料が必要です)

これは黒背景に黄色文字の「黒ナンバー」と呼ばれるもので、これをつけている自動車は「何かしらの事業に使われている車である」という証明になり、「仕事に使われても問題ない」と判断されるようになります。黒ナンバーが使われている車は軽貨物をはじめ、タクシーや霊柩車といった「配送」に関わる業務に従事しているとみなされるのです。

この黒ナンバーの取得が完了すれば、軽貨物運送業における登録は終了です。晴れて軽貨物の事業者として独立開業することができます。

 

軽貨物運送業における事業用車両登録の注意点

飲食店など厳しい基準の「許可制」となっている手続きと比較すれば、軽貨物運送業の開業における届け出は簡単な部類だと言われています。しかし、登録にあたってはいくつかの注意点に気を付けていなければ、思わぬデメリットを被る場合もあります。

この項目では、軽貨物運送業登録において気を付けていただきたいポイントについて解説を行っていきます。

黒ナンバーを取得できない車がある

許可制となっている「緑ナンバー(同じく運送用の事業者に割り振られるナンバーであり、信用性が高い)」と比較した場合、届け出制の黒ナンバーは容易に取得できるようになっています。ただ、それでも「この車では黒ナンバーの取得ができない」ということがあるようです。

それはいったい何かというと、いわゆる「3ナンバー」や「5ナンバー」の車です。これらは一般的な私用による常用目的で造られた自動車に割り振られるものであり、事業用に転用することができないとされています。ただし、それらの車であってもカスタマイズを行うことで、黒ナンバーの取得が可能になる場合もあります。

黒ナンバーは保険料が割高になる?

黒ナンバーを取得している場合、各種任意保険への加入料金がやや割高になってしまうとされています。黒ナンバー車両自体の全体数がそれほど多くなく、民間保険会社が本腰を入れていないことが原因と考えられているのです。大手でありながら、そもそも黒ナンバー向けの保険を扱っていないという会社もあります。

よって黒ナンバーの軽貨物事業者の場合、より保険に対し気を配る必要があると言えるでしょう。

手続きの窓口は意外と早く閉まる

これは例外的な注意点ですが、運輸支局の窓口受付時間はかなり短いということを知っておいた方がよいでしょう。各都道府県の運輸支局窓口は16時に閉まるだけでなく、休日祝日は受付を行っていません

ですので、企業で働きながら開業準備を進めている方は、なかなかどうして届け出に赴きにくくなっています。有休などを利用して登録を行うようにしましょう。

 

スムーズな登録完了でスピーディな独立開業を

軽貨物独立開業における登録手続きはそれほど難しいものではありませんが、複数の書類を準備する必要があるなど、多少の手間はどうしてもかかってしまいます。

忙しくて書類作成の時間がとれない場合は軽貨物での独立をサポートしてくれる業者からの支援を受けるなどして、なるべくスムーズに登録を完了させておきたいところです。

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