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公開日:2019/05/15  最終更新日:2019/06/06

軽貨物業の開業に必要な手続きって?

サラリーマン、オフィスワーカーからの独立をお考えの場合、さまざまな選択肢があるかと思います。その中でもおすすめしたいのは、軽貨物業での独立です。軽貨物業は大がかりな準備を必要とすることがなく、軽トラックなどのちょっとした準備で誰でも簡単に開業を行うことができ、自由に働いて利益を得ることができるようになっています。

この記事では、そんな軽貨物業での独立の際に必要な諸々の手続きについて解説していきますので、軽貨物業にご興味があるという方はぜひご一読ください。

 

軽貨物での独立開業手続きはそれほどややこしくない

個人事業主や会社社長として独立開業するには、大抵の場合いろいろなものが必要となってきます。たとえば、昔から人気が高い飲食店分野での開業を行うとなれば、保健所や消防署への届け出に、店舗の改装やメニューの考案に食材仕入れルートの確保、その他「食品衛生責任者」や「防火管理者」といった資格の取得などなど、ありとあらゆる方面で行うべきことがとても多く、げんなりさせられます。日本が欧米諸国と比べて独立志向が強くないのは、こうした開業手続きの面倒くささが起因しているかもしれませんね。

しかし、そうしたものと比較してみると、軽貨物での独立開業手続きというのはかなりシンプルで、それほど猥雑な手続きを踏むことなく行えるようになっています。飲食店のように食材仕入れルートの確保やメニューの考案、特別な資格の取得に方々へのさまざまな届け出といったようなややこしい事務手続きを行わなくとも、多くの方にとって簡単に開業できるようになっているのです。こうしたシンプルさもまた、軽貨物業での独立がをおすすめしたい理由のひとつと言えます。

 

軽貨物事業の手続きが簡単な理由は「届け出制度」だから

いったいなぜ、他の事業に比べて軽貨物は独立の際の手続きが容易なものとなっているのでしょうか。それは、事業をはじめるために行う手続きが許可制でなく届け出制となっているということが大きな理由です。

許可制というのは一般的に規制や禁止がなされているものに対し特別な許可をもらいにいくための制度です。安全性や経済的な理由のために制限がかけられているのですから、その許可を得ようとするならば、「あなたになら許可を出してもよい」ということを証明するための慎重かつ詳細な書類や手続きが必要なのは言うまでもないでしょう。

反面届け出制の場合あくまでも、こうした事業をはじめますという報告をすることが目的であり、特別に禁止されているものを許してもらうということではありません。だから、許可制を比較すると手続きの厳しさや猥雑さがかなり異なってくるのです。

許可制の場合、事業によっては対象者の経歴などもしっかり調べ上げた上での慎重な審査がなされますが、届け出制の場合は書類や設備さえ整っていれば拒否されることはほとんどありません。

 

軽貨物独立開業手続きにおける必要書類

軽貨物事業をはじめるにあたっては、必要となる書類一式を所轄の運輸支局に提出することが主な手続きとなります。軽貨物独立にあたってどのような書類が必要になるか、この項目で解説していきましょう。

運賃料金設定届出書
その名の通り、貨物事業をはじめるにあたって運賃をいくらに設定するのかといったようなことを告知するための書類です。時間単位、あるいは距離単位での場合、1時間(あるいは1キロメートル)ごとにどのぐらいの運賃が発生するのかを記入します。

貨物軽自動車運送事業経営届出書
軽貨物の事業をはじめるといった旨を記載する書類であり、手続きにあたってもっとも重要な書類となっています。営業所の名称や車庫の規模、責任者について記入し、提出しましょう。

車検証
事業に使用する車両の過去の車検証のコピーを取り、提出します。もし軽貨物事業開業にあたって新たに車を購入した場合は、その車両の車体番号が書かれた書類を提出してください。

事業用自動車等連絡書
これはこの車をうちの事業に使用するということを通知するための書類となります。安全面の問題上、ここに書かれていない車は軽貨物事業に使うことができません。

 

軽貨物事業に必要な「黒ナンバー」とその他設備

軽貨物事業の開業にいたった場合、事業に使用する車はナンバープレートが特殊なものに変更されます。通常のナンバープレートというものは黄色の数字に黒文字となっていますが、軽貨物用事業者の場合これが逆になり、黒数字に黄色文字となります。黒ナンバーを付与されるためには、運輸支局にて先述した事業用自動車連絡書を提出した後、軽自動車検査協会へ行き、あらためて手続きを行う必要があります。

軽貨物業をはじめるにあたっては、黒ナンバー以外にも以下のような設備が必要となります。

車庫
軽貨物の事業をはじめるにあたっては、営業所内に1台あたり10㎡程度の広さを持つ車庫が併設、あるいは2㎞以内の場所に用意されていることが必須となります。これに関しては貨物軽自動車運送事業経営届出書記載項目にての自己申告となっており、添付の証明書は必要ありません。

睡眠、休憩施設
従業員の健康管理のため、営業所か車庫、あるいはそれらから10㎞(都道府県によっては20㎞)以内の場所に休憩施設ないしは睡眠施設を設けることが求められます。常識的な範囲(極端に狭い、あるいは屋根のない屋外)を逸脱しない限りは、営業所兼用の自宅であっても問題ありません。

運送約款
運送業に従事するにあたっての決まりごと(約款)を提出する必要があります。これあらかじめ法律で定められている「標準貨物軽自動車運送約款」というものがあり、それに則って作成するというのが一般的な方法となっています。

その他
肝心の事業車についてですが、これは複数台用意せずとも一台だけで問題ありません。ただし、軽貨物事業で用いる車の両側面には、事業者の名前などを記載してその所在を明らかにする必要があります。

 

サポート企業との連携で開業手続きがおすすめ

このように、軽貨物業の開業手続きには書類こそ複数求められますが、特別な免許や資格が不要なので参入にあたっての障壁はかなり低いものとなっています。だからこそ、それまでオフィスワーカーとして長年勤めていた方の独立にも向いているのです。

しかし、独立開業が簡単だからといって、必ずしも安定して利益を獲得できるというわけではありません。肝心なのはあくまでも開業後にどれだけがんばれるのかということ。独立したはいいものの、戦略が至らず儲けることができていないというのは残念なことです。

そこで個人的におすすめしたいのが、業者による独立開業サポートを受けるという選択肢です。近年は軽貨物事業で独立を考えている方を応援すべく、さまざまな業者がパートナーを多数募集しています。業者のサポートを受ければ、開業資金をかなり格安あるいは無料に抑えることが可能なだけでなく、開業前の研修や実習によって事業に必要なスキルを身につけられるようになっています。

それに加え、業者によっては毎月の経費サポートやパートナー同士の相互連携、営業車両の紹介など、かなり手厚い支援が受けられる場合もあります。一人で無計画な独立を行うよりは、こうした形式での開業の方がよほど現実的で成功率も高いです。

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