軽貨物を抱え独立開業を検討している時、気になるのは繁忙期や閑散期についてではないでしょうか。物流業界の繁忙期と閑散期は、市場に回る物流の量に影響されます。なぜこうした時期が起きるのか、それぞれの時期に備えてどうしたら良いかなど、軽貨物運送業で独立開業する前に知っておきたいことについて詳しく解説します。
もくじ
軽貨物運送業で言う繁忙期と閑散期とは
軽貨物運送業にとって繁忙期と言うのは、運搬する荷物が非常に多く、とても忙しい時期のことです。物流業界に運送する荷物が増えるのは、企業の活動が活発化したり、動きが多いと言った時期にあたります。通販サイトでインターネットショッピングをする人も多いですが、それが集中する時期は物流業界にとってとても忙しい時期と言えるでしょう。
物流が増えるのは年末年始や冬季・夏季、引っ越し時期です。この時期は恒例のイベントが行われることが多いので、毎年同じようなサイクルで忙しい時期がやってきます。
突然現れたイベントで物流が一気に上がったりすることもあるので、独立開業を考えているなら、こうした世の中の流れと物の流れについて、常に把握しておくことが大切です。また繁忙期に混乱しないように、スムーズに働ける体制を整えておくこともポイントになります。
閑散期とは、暇な時期を言います。物流業界には必ずと言っていいほど訪れる時期ですが、繁忙期が終わった後や6月など企業や人の動きが鈍くなる時期が、閑散期になる傾向があります。天候に左右されることも多く、大きな災害が発生した場合は、物流そのものが不可能になることもあるでしょう。
忙しくないというのは、収益に影響しますので、不安になるかもしれませんが、閑散期は物流業界だけでなく、どの業界でも当たり前のように起こっています。この時期は忙しい時期にできなかったことをしたり、忙しくなる時期に備えて準備するなど有意義に過ごすことが望まれます。
必ずと言っていいほど忙しいのは年末年始や夏季
年末年始は企業も一般の人も多忙な時期です。企業は年末年始に仕事納めと新年の準備をするところがほとんどで、これが物流の流れに影響します。この時期は各地でイベントも行われますし、軽貨物事業に身を置く人は、目の回るような忙しさを経験するでしょう。
物流の流れを激化させるもう一つの要因は商品需要です。クリスマスプレゼントやおせち、正月の飾りなど、国民的イベントに備えて多くの人がインターネットを使って買い物をします。
年末年始同様、夏季も毎年のように忙しくなります。この時期は学生が長期の夏休みに入り、移動や消費が増えます。また企業はこの時期に新製品を発表する場合もあるので、物の流れが活発化します。
3月は比較的多忙な時期になることが多いようです。この時期は学業に一区切りをつけ、新たな学校に進学したり、社会人として新たな一歩を踏み出す人が多いなど、物を買い替えたり新たに購入すると言った需要が急増します。
これらの繁忙期は、毎年必ずと言っていいほど訪れますので、事前に準備できるというメリットがあります。忙しい時期に入る前にある程度の予定を立て、何でも早め早めに対処することが賢明です。
大きなイベントは、物流に直接影響を与える
イベントには、毎年のように開催されるものと、一時的に行われるものの2つのタイプがあります。クリスマスや正月は毎年恒例のイベントと言えるでしょう。父の日や母の日も、大きなイベントと言えるでしょう。こうしたイベント時期は、人々が一斉にプレゼントを購入します。
企業もイベントに合わせてさまざまな商品を開発し、消費者の購買意欲を刺激しますので、通常よりも物の流れが激しくなります。引っ越しもある意味毎年恒例のイベントですが、この時多くの人が新しく家具や電化製品、生活必需品などを購入します。
オリンピックなど、一時的に開催される大きなイベントが行われる時も、一時的ですが需要が高まり、それに合わせて物流も繁忙期を迎えます。毎年行われるイベントなら、ある程度準備ができますが、突然発生したイベントに対しては、準備時間が十分に取れないこともあるかもしれません。
世の中の動きやニュースを常にチェックしながら、物流業界にどう影響を与えるか、把握するといざという時冷静に行動することができます。
地域によって繁忙期になることもある
物流業界の繁忙期は、地域レベルで発生することもあります。それはどんな時かと言うと、特産品が収穫される時期です。米やカニ、野菜などその時期によって収穫される特産品があり、それを運ぶために物流がその時期だけ忙しくなります。
例えばテレビで紹介された特産品に対して注文が殺到すれば、その分物流も活発化することが考えられます。少なくとも、独立開業した地域で収穫される特産品の時期は把握しておいたほうが良いでしょう。物流の流れをできるだけ素早くキャッチするためには、テレビや雑誌、メディアの情報にもアンテナを張っておくことが大切です。
リゾート地の繁忙期がそのまま物流業界の忙しさにつながることがあります。例えばスキーリゾート地では、冬にスキー客が多く訪れますが、客のスキー板などを運ぶなど、軽貨物業界は繁忙と言えるほど活発になります。
冬だけでなく、長期のバカンスを楽しんだり、海外旅行へ行くなど、沢山の荷物を抱えている人は、それらを運送してもらうため軽貨物を利用することがあります。需要が集中すると、その時期はとても忙しくなるでしょう。
閑散期だからこそしておきたい仕事
閑散期は暇な時間ができやすい時期でもあり、経営者なら頭を抱えてしまうかもしれません。今後の仕事につなげることを考えた場合、どのようなことをしておいたほうが良いのでしょうか。
後でやろうと思っていた作業があれば、それを処理することが閑散期にはできます。忙しいからと後回しにしている作業や仕事は必ずあるはずです。
逆に忙しくなることを見越した準備作業をすすめるというのも良い時間の使い方になります。繁忙期になかなかできないのが営業活動ではないでしょうか。
閑散期は顧客に電話をかけたり、新規開拓として電話をかけて営業をする時期にぴったりです。無理に仕事ややることがない場合は、仕事をしないというのも大切なことです。経営者や従業員の気分転換にもなりますし、激務に備えて体を休めることにもつながります。
何もすることがなければ、普段できない従業員との雑談を楽しむというのも一つの方法です。何気ないことなどを通して従業員の人柄や考えていることなどを知ることができますし、職場の改善や、仕事について新たなアイデアが浮かぶかもしれません。
繁忙期の仕事をスムーズに乗り切るには
繁忙期をスムーズに乗り切るには、事前に仕事の流れが止まらないように、体制を整えておくことです。普段から物流予測カレンダーを作成しておきましょう。カレンダーがあることで、忙しい時期がいつ来るかを把握しやすくなります。
イベントや収穫日、新製品発売日など会社にとって必要なことはなるべく書き込むことで、より具体的な予測が可能です。経営者として物流予測ができたら、次はそれを社員に伝え、いざとなったらどう動くのか支持しておくと、仕事の流れがよりスムーズになります。
混雑は集荷するところから始まっています。混雑を避けるなら、集荷する前から計画を立て、余裕を持って行うことがポイントです。伝票を整理するなど数日前から準備を始め、集荷の前日には予約を入れるようにしましょう。集荷した大量の荷物を配達する時に、犯しやすいミスが、配達日を間違えてしまうことではないでしょうか。
これを避けるには、配達シールなどを使い、ドライバーがひと目でわかりやすいよう分類しておくことです。こうした一工夫が混乱を避け、スムーズに仕事が進むポイントになります。
物流業界は1年中忙しいというわけではなく。繁忙期と閑散期が訪れます。忙しくなるのは物の流れが激しくなる時で、それは企業や個人の動きが活発になったり、イベントなどで商品需要が高まる時期です。毎年恒例のイベントの他単発的に発生するものもあるので、普段から情報収集は欠かせません。閑散期は有意義に過ごすことで、仕事に有利となります。