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公開日:2020/08/15   最終更新日:2024/06/19

軽貨物運送の独立開業に失敗するのはどんなとき?

サラリーマンを辞めて独立したい場合や、何か1つ新しい仕事を始めたいと感じている場合には、軽貨物運送は魅力的です。ですが、必ずしも独立開業すれば成功するとは限りません。一定の割合で失敗してしまう人がいるのも事実です。そこで、どのような人が失敗するのかをそれぞれ見ていきます。

予想していた以上に忙しく生活に余裕がない

軽貨物運送に参入して失敗する人の一例では、簡単に独立し稼ぐことができると考えているパターンです。よく宣伝では、誰でも簡単に独立開業できますと書かれていることがあります。確かに、早い段階で仕事もそれなりの量が入ってくることが想定できるでしょう。しかし、現在の輸送状況を見ると非常に厳しいものがあります。

例えば、コロナウイルスの影響により日本では物流の量が圧倒的に増えている傾向があります。それに加えて、インターネットで買い物する人がうなぎ登りに増えてきており、荷物の量もかなり多い傾向にあるでしょう。

簡単にたくさんのお金が稼げると考えて参入してみたものの、実は非常に厳しく想像以上にたくさんの仕事をしなければお金が儲からないと気がつき、途中でやる気がなくなってしまうこともあります。

1週間に2日休めればスローライフを実現することも可能ですが、実際には1週間に1度程度しか休みがないことも多いです。しかも、1日の労働時間も最初のうちはかなりに及ぶでしょう。

例えば、朝の8時からスタートし夜の10時位まで働いている人も少なくありません。再配達等があることを考えれば、夕方6時で仕事終わりにすることは難しく、むしろ家を留守にしていた人が職場等から帰宅する夜の6時以降こそ忙しい時間帯といえます。

ある程度慣れている人ならば、そつなくこなし短い時間で配達を済ませることが可能になりますが、参入した直後はなかなかそのようなことをすることができず、ひたすら無駄に時間だけが流れてしまいます。仕事に慣れていないことで長時間労働になってしまい、心身ともに疲れていくでしょう。

このように考えれば、すぐに独立して簡単に儲かると言うことはなく、初めからある程度忙しくなることを想定しておきましょう。もし初めて参入するならば、ある程度事前に下調べをしてから参入したほうが良いかもしれません。

ちなみに荷物の量は、自分で選ぶことができることもありますが、繁忙期などはまず選ぶことができません。会社側から、今日はこれだけの荷物を運んでほしいと言われればそれに従うしかないわけです。

独立するときに莫大な借金をした場合

失敗する例の2つ目は、最初にたくさんの借金をしてしまった場合です。軽貨物運送と言えば、なんとなく言葉尻から考えるとそこまで規模が大きくなくお金もかからないイメージがあるかもしれません。

脱サラして簡単に誰でもできるというのが1つの魅力だとすれば、確かに簡単に参入し設けることができそうです。しかし、独立をすると言うことは、それだけお金もかかることを意味しています。

かかるお金は、参入する業者によっても異なりますが、まず自動車を自費で購入するのが基本になります。自動車を購入するときは軽自動車といえども、200万円近くのお金はかかります。保険等に加入すると、車体価格に加えて30万円位かかるのが基本になります。カーナビゲーションも入れると、もう少しかかるパターンもあるでしょう。

最近の軽自動車は若干高く取引されており、本体価格だけで150万円を超えることも少なくありません。新車が厳しければ、中古の自動車を購入するのも良いです。ただ中古の軽自動車を購入する場合でも、よほど古いもの以外はそう簡単に値段が落ちません。軽自動車は、運送するときにはとても役に立つため、それなりの需要が見込めるわけです。

このように考えれば、自動車だけで最低200万円かそれに近い位のお金を用意しておいたほうが良いことが理解できます。自動車は購入したら終わりではなく、車検と自動車税がかかります

中古で購入した場合には、車検が2年に1度おこなわれます。このとき10万円位のお金が飛んでいってしまうでしょう。点検パックなどに入るともう少しお金がかかることが想定できます。

自動車税の負担も同時に考えておかなければいけません。軽自動車の場合は、そこまで自動車税の負担は大きくありませんが、それでも毎年1万円近くのお金が税金として飛んでいくことになります。

それ以外には、維持費も必要です。維持費として考えなければいけないものの1つは、タイヤになります。タイヤは、日本製のある程度質の良いものを使っても40,000キロほど走行すると交換しなければなりません。4本あたり40,000円程度で購入できることもありますが、質の良いものだともう少しお金がかかると考えて良いです。

通常の自家用車として利用する場合と異なり、走行距離がそれなりのものになることを理解しておきましょう。1年あたり、15000キロから20000キロ位走ることを想定しておいたほうが良いです。そうすると、2年から3年に1度はタイヤ交換をすることが必要になります。

ガソリン代も頭に入れておきたいところです。軽自動車は、そこまで燃費が悪くないものも多いですが、それでも1リッターあたり10キロメートルから12キロメートル位しか走りません。2日から3日に1度給油をすると考えると、1ヵ月のガソリン代だけで40,000円以上かかることが想定できます。

それ以外に必要になるのは、駐車場です。東京都内だと、1ヵ月借りるだけで30,000円位するところもありますが、全国的な平均で言えば10,000円前後で借りることができます。ただこれも、1年間に換算すれば12万円ほどの出費があることを想定しなければいけません。

会社員ならば、このような出費は全て会社のほうで負担してくれるため、今までとは全く状況が異なることを理解しなければならないところです。

軽貨物運送する場合には、その親会社に加盟しなければいけません。このときコンビニエンスストアほどではないにしても、加盟金を取られることがあります。保険料などもかかるため、初期費用だけで50万円以上かかることも決して珍しくはありません。

逆に、加盟金や権利金等を一切取らないような業者もありますが、そのようなところはお金になりにくい傾向があります。他の会社が最初の段階で加盟金や権利金をとっているのに初期の段階でとっていないと言うことは、後で売り上げからその1部を加盟金や保証金に充てることが想定できます。

傷病手当金等をもらうことができないことが多い

今まで会社に勤務していた人は、怪我や病気などになって長期的に仕事から離脱する場合、お金が入ってこなくなることも考えられます。このときには、傷病手当金をもらってその場をしのいでいる人がいたかもしれません。

しかしながら、軽貨物運送として独立する場合、傷病手当金などはもらうことができないでしょう。この点を予期せずスタートしてしまった場合には、無収入の期間が続くため注意しなければならないところです。このような失敗を避けるために、十分な下調べをしましょう。

 

軽貨物運送の運転手として独立開業する場合、失敗をする事例があるとすれば想像以上に仕事がきつい場合です。簡単にできますなどと宣伝しているところでも、実際に勤務すると非常にきついことがあるため事前に口コミなどを確認しておきたいところです。

また、お金がそれなりにかかることも忘れてはいけません。特に、自動車を購入するときの費用や、維持費はそれだけで200万円前後になると考えておきましょう。

最後に、傷病手当金などが期待できないことも頭に入れておかなければならないところです。

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