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公開日:2024/08/15  

軽貨物ドライバーの独立開業における白色申告のメリットとデメリット

白色申告
軽貨物ドライバーとして独立開業を考える際、確定申告の方法について悩むことは少なくありません。日本には白色申告と青色申告の2種類の確定申告方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。そこで本記事では、軽貨物ドライバーの独立開業における白色申告の特徴を詳しく解説します。

軽貨物ドライバーの独立開業における白色申告とは?

白色申告は、個人事業主が収入と経費を簡単に記帳し、確定申告をおこなう方法です。青色申告に比べて記帳や申告手続きがシンプルであり、簿記の知識がなくても自分でおこなうことができます。そのため、白色申告はとくに独立開業を始めたばかりの軽貨物ドライバーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をするメリット

それでは軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をするメリットを、以下で詳しくみていきましょう。

記帳が簡単

白色申告の最大のメリットは、その記帳の簡単さにあります。収入と経費を簡単に記録するだけで済み、青色申告のように複雑な帳簿を作成する必要がありません。運送業務の収入とガソリン代、修理費などの経費を明確に分けて記録すれば、簿記の知識がなくても対応可能です

確定申告手続きが簡便

白色申告は確定申告手続きもシンプルです。国税庁のホームページから申告書をダウンロードし、必要事項を記入するだけで完了します。この手軽さは、税理士に依頼せず、自分で確定申告をおこないたい軽貨物ドライバーにとって大きなメリットでしょう。

費用がかからない

青色申告をおこなう場合、記帳を正確におこなうために会計ソフトや税理士を利用することが多いです。しかし、白色申告ではその必要がなく、申告にかかる費用を節約できます。初期投資を抑えたい独立開業者にとって、このコスト面の優位性は見逃せません

軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をするデメリット

軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をすることはメリットばかりではありません。デメリットもあることをあらかじめ知っておくことが大切です。では、以下にデメリットについて紹介します。

青色申告特別控除がない

白色申告には、青色申告で受けられる「青色申告特別控除」がありません。青色申告特別控除を利用すると、最大65万円の所得控除を受けることができ、節税効果が大きいです。しかし、この特典がないため、白色申告は節税対策としては劣るでしょう。

赤字繰越ができない

白色申告では、事業で発生した赤字を翌年に繰り越すことができません。一方、青色申告では3年間にわたり赤字を繰り越し、将来の所得と相殺することができます。たとえば、初年度に大きな経費がかかった場合、青色申告なら次年度以降の節税につながりますが、白色申告ではその恩恵を受けられないのです。

損失控除が制限される

白色申告では、損失控除が制限されます。青色申告では、一定の条件を満たせば損失を全額控除できるのに対し、白色申告ではその範囲が限られます。たとえば、車両の事故や大規模な修理費用などの損失が発生した場合、その損失を十分に控除できない可能性があります

軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をするのがおすすめのケース

ここまで白色申告についてのメリットやデメリットをみてきましたが、具体的にどのようなケースが白色申告に向いているのか気になりますよね。そこで軽貨物ドライバーの独立開業で白色申告をすることがおすすめのケースを、3つ紹介します。

経費が少ない場合

経費が少ない場合、青色申告のメリットが少なく、白色申告の方が事務負担が軽くなります。たとえば、事業規模が小さく、経費があまり発生しない場合は、白色申告で十分対応できるでしょう。

確定申告手続きを自分でおこないたい場合

税理士に依頼せず、自分で確定申告手続きをおこないたい場合は、白色申告の方が簡便です。とくに独立開業直後で資金に余裕がない場合、自分ですべてを完結できる白色申告は大きな魅力となります。

試しに申告をしてみたい新規参戦の方

まだ稼いだお金が20万円以下のドライバーは、本来確定申告をする必要がありません。試しに確定申告をおこない、青色申告のリハーサルをしたいなら、白色を選び自分で申請をしてみましょう。申告の流れを事前につかんでおけば、来年から青色申告をする際に経験が役立ちます。

軽貨物ドライバーのための白色申告手順ガイド

ここでは、独立開業をした軽貨物ドライバーが、白色申告をおこなうための手順を詳しく解説します。

①必要な書類を準備する

白色申告をおこなうためには、まず必要な書類を準備することが重要です。これには、収入や経費を証明するための領収書や請求書、銀行の通帳のコピーなどが含まれます。これらの書類を整理し、年間の収入と経費を把握してください。

②収入と経費を記帳する

白色申告では、収入と経費を簡単に記帳することが求められます。これは手書きの帳簿でも、エクセルシートや市販の会計ソフトを利用しても構いません。記帳する内容には、日付、取引内容、収入額、経費額が含まれます。

たとえば、1月10日に配達業務で5,000円の収入があった場合「1月10日 配達業務 収入 5,000円」と記帳します。同様に、1月15日にガソリン代として2,000円の支出があった場合は「1月15日 ガソリン代 経費 2,000円」と記帳しましょう。

③支内訳書を作成する

次に、年間の収入と経費をまとめた収支内訳書を作成します。これは、1年間の収入と経費を合計し、最終的な所得を算出するための書類です。収支内訳書には、総収入額や総経費額、差引利益(所得)が記載されます。収支内訳書は、国税庁のホームページからダウンロード可能です。

確定申告書を作成する

収支内訳書が完成したら、それを基に確定申告書を作成します。確定申告書は、収入や経費、所得税額などを報告するための書類です
確定申告書には、以下の情報を記入します。

・氏名、住所、生年月日
・収入の総額
・経費の総額
・所得(収入から経費を差し引いた金額)
・所得控除額(該当する場合)

国税庁のホームページから「確定申告書B」をダウンロードし、必要事項を記入しましょう。

⑤確定申告書を提出する

確定申告書が完成したら、所轄の税務署に提出します。提出方法には郵送、税務署の窓口での提出、電子申告(e-Tax)の3つがあります。電子申告を利用すると、自宅からインターネットを通じて申告できるため非常に便利です。

しかし、提出期限は厳守してください。期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があるため、早めに準備をすることが大切です。

⑥納税をおこなう

申告した所得税額を納税します。納税は税務署での直接納付、銀行振込、コンビニエンスストアでの支払い、インターネットバンキングを通じた納付など、さまざまな方法でおこなうことができます。

白色申告と青色申告を比較!どちらがおすすめ?

どちらの申告方法を選ぶかは、個々の状況や事業規模によって異なります。年間の売上予測が200万円以下で、確定申告の手間をできるだけ省きたい場合や、青色申告制度の記帳や決算手続きに自信がない場合は、白色申告が適しているといえるでしょう

一方、将来的に事業を拡大したいと考えている場合や、節税対策を積極的におこないたい場合、そして正確な収支を把握したいと考えている場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。白色申告と青色申告のどちらを選択するべきか迷っている場合は、税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

軽貨物ドライバーの独立開業における白色申告は、記帳や確定申告手続きが簡単という大きなメリットがあります。しかし、節税対策面では青色申告に劣ります。とくに青色申告特別控除や赤字繰越といった大きな節税効果を享受できない点はデメリットです。独立開業当初は白色申告で始め、事業が軌道に乗り経費や所得が増えた段階で青色申告に移行するという選択もあります。税務に関する基本的な知識を身につけ、事業の状況に応じて最適な申告方法を選ぶことで、軽貨物ドライバーとしての経営をより効率的に進めることができるでしょう。

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